アルゼンチン・タンゴ~ピアソラ Piazzolla ~

私の父は職人ですが、ごく若い頃、社交ダンスのプロのダンサーをしていた時がありました。
NHKのダンス教室にも、模範演技をお見せする係りで出演したりしておりました。

結局、気に入るパートナーが見つからなかったり、後々、夜の仕事に就くようになるのが嫌だったりで、父は早々にダンスをやめてしまいました。
一旦やめると見向きもしなくなる父ですが、その後も、当時の関係者がダンスパーティーをする時などにお誘いがあり、私も中高生の頃、一緒について行ったことがありました。
父に踊ってもらうのです。
私は社交ダンスのステップなどを習ったことはありませんでしたが、父曰く、「足を左右、交互に出していれば良い」。

そうして、足を交互に出して父に引っ張られていると、あら不思議!
社交ダンスは、男性のリードが良ければ、女性はステップを知らなくても、ある程度踊れてしまいます。
リードによって、向かうべき方向に足が誘導されるわけです。

しかし、いつもパーティーの後半は、どちらの足に体重がちゃんと乗っていないとか、難しい話が増えてくるのでした。
そして、複雑なステップどころか、一歩の前進や後退においてさえ、体重の移動のさせ方等が途轍もなく難しいことが分かると、私はすっかりやる気をなくしました。

それで、社交ダンスはずっと避けていましたが、もともと踊るのが好きでして、もう大分前、三ヶ月くらいですが、アルゼンチン・タンゴは習ったことがありました(要するに、これもちゃんとはやっていない、という意味ですが)。

こんな感じのダンスです。






社交ダンスと違って、アルゼンチン・タンゴは、前傾姿勢で踊ります。
これも、基本的な歩き方を習っておけば、男性のリードで、すぐにある程度は自由に踊れるので、楽しいですよ。
うまく踊るのは、また別ですが。

上の YouTube の曲はピアソラの“リベルタンゴ”で、ピアソラの中では、一般的によく聴かれる曲ですね。
私はダンス教室で初めてピアソラを聴きました。

4歳から15歳までニューヨークで育ち、そこでジャズに親しみ、その後30代の前半にフランスでクラシックを学んだピアソラのタンゴは、従来のタンゴとは大分異なります。
曲の中で一つのテーマが少しずつ、じわじわ展開していく感じが、私はたまらなく好きです。
抑えたものの方が、情熱が籠るものですね。







“オブリビオン”はしっとりとした曲で、こんな曲で、こんな流れるようなダンスを踊ってみたいものものです。
これを踊っている Claudia Miazzo と Jean-Paul Padovani という二人は、パリを拠点にしているダンサーのようで、従来のアルゼンチン・タンゴに比べて格段に洗練されているというか、ここまでくると芸術性を感じさせます。
バレエや、アイス・ダンスで優勝するカップルの演技でも観ているようです。






                            ◇


タンゴトリオを組まれてニューヨークで活躍されているヴァイオリニストの小澤真智子さんのリサイタルが、11月に鎌倉で行われるので、今から楽しみにしています。
小澤さんについては、前にもこちらのブログで書かせて頂きたことがあります(小澤真智子ヴァイオリン・リサイタル)。

今回は、上の“リベルタンゴ”や“オブリビオン”も演奏されます!
リサイタルは東京でも行われ、プログラムにはバッハや小澤さんご自身のオリジナル曲も含まれるようです。
小澤さんはタップダンスもされる方で、タップを交えた情熱溢れるヴァイオリン演奏も楽しみです。

「音楽もダンスも、人間の魂の本源から流れ出た兄弟姉妹」(雑誌『ぶらあぼ』より)と語る小澤さんに同感です!

小澤真智子&NYアーバンタンゴ


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14 Comments

yuccalina  

フィギュアスケートと共に

こんにちは。
90年頃にワールドミュージックブームが来た頃に知ったピアソラですが、当時は異端として、あまり評価されていませんでした。特に故・中村とうよう氏「大衆文化から外れたアカデミズム」として嫌っていたのです。しかし、後年、フィギュアスケートで彼の曲が頻繁に使用されると共に、とても親しみが湧いてきました。高橋大輔選手が3年前に使用していた「ブエノスアイレスの四季」も大好きです。

2013/10/24 (Thu) 08:53 | EDIT | REPLY |   

Ariane  

Re: yuccalina 様♪

こんにちは。コメントありがとうございます!
yuccalina 様は、いろんな事に随分お詳しくて、貴ブログを拝見していても、よく驚かされます。
ピアソラは、高橋大輔選手のイメージにも合っていますね。
「ブエノスアイレスの四季」は、とても格好の良い曲だと思います。

ピアソラは、最初はアルゼンチンでも不評だったらしいですね。
ダンスを踊りやすい音楽ではないでしょうし・・・。
私はどちらかと言うと、タンゴは必ずしも好きでもないけれど、ピアソラが好き、という感じです。
ピアソラは音楽として洗練されていますから、今では、そういう方はたくさんいらっしゃるかもしれませんね。
上の最後の動画で「オブリビオン」を踊っている二人も、新しいオリジナルなアルゼンチンタンゴを踊っているようで、私は「大衆文化から外れたアカデミズム」、良いんじゃないかなぁ、と思います。

2013/10/24 (Thu) 13:35 | EDIT | REPLY |   

まーさん  

久々のピアソラ!

ピアソラ、大好きです。
アルゼンチンタンゴの世界では、評価されていないようですが、
ワタクシは純粋に、ピアソラの曲調が好きです^^

何枚か持っているCDの中では、ギドン・クレーメル「ピアソラへのオマージュ」がお気に入りです。
”オブリビオン”で踊る二人の、流れるような美しい動き。
思わず見入ってしまいました。

Ariane様はアルゼンチン・タンゴ、習っていらしたんですね。すごい!!
あの妖艶な動き、ワタクシにはできるかどうか・・・汗
そして、お父様は社交ダンスのプロダンサーだったとのこと。
カッコイイですね~~(*‘∀‘)
Ariane様の、抜群に洗練された芸術的なセンスは、
お血筋&お育ちによるものだったのですね、納得です!!

ワタクシもダンス大好きです。やってみたいです。
社交ダンスとフラダンスには、知人から誘われているのですが、
ワタクシとしてはフラメンコに猛烈に憧れています(笑)

2013/10/24 (Thu) 14:43 | EDIT | REPLY |   

Ariane  

Re: まーさん♪

コメントありがとうございます!
ピアソラ、お好きですか!
何かと趣味が合いますね♪
ヨーヨーマや、今回ご紹介させて頂いた小澤真智子さんもそうですし、ピアソラはクラシックの演奏家で弾かれる方が結構いらっしゃいますが、クレーメルも演奏しているのですね。
バンドネオンも良いですが、ヴァイオリンも良いですよね。

ダンスは習っていたと言っても、あっという間にやめてしまいましたから、全然すごくないんです。
習ったというより、遊んだ、と言うべきですね(^^;)
フラメンコも、ちょっと惹かれます。
フラダンスは、やっぱり『フラガール』を観て憧れました。
社交ダンスは、習おうと思うと、めちゃめちゃお金かかりませんか?
父は、お金をかけた形跡がないところを見ると、昔はお金かからなかったんでしょうか・・・。
ダンサーとか言うと、何となく優雅に聞こえるかもしれませんが、体育会系なんですョ。

2013/10/24 (Thu) 16:11 | EDIT | REPLY |   

eiko  

お父様、プロのダンサーでいらしたなんて、なんて素敵なんでしょう!
私だったら、どこでも吹聴して回って自慢しちゃいます!
Arianeさんの美的センスはお父様からの贈り物だったんですね。
タンゴ私も習ってみたいです。
タンゴだったら、ショーダンスでなければ、年取ってからでも踊れるダンスじゃないかと。
あとでゆっくり音楽の方も聞かせていただきます。
Arianeさんの音楽の記事は非常に楽しみにしている者のひとりです。

2013/10/24 (Thu) 20:09 | EDIT | REPLY |   

Ariane  

Re: eiko さん♪

そんな風に言ってくださって、どうもありがとうございます。
でも、父も早くやめてしまいましたからね・・・。私も、何かやってもやめてしまうところが、父に似たかもしれません~(^^;)
私の父と母とが知り合ったのは、ダンスを通じてだったらしいです。父が教えている教習所に、まだ学生だった母が、レコード係のアルバイト募集の広告を見て行ったのだとか。

確か、アルゼンチンの映像だったと思いますが、年配の方たちがお店でゆったりとタンゴを踊っているのを見たことがありました。そんな風にダンスを楽しめると良いですよね。

2013/10/24 (Thu) 21:57 | EDIT | REPLY |   

eiko  

出会いって面白いですね。
1人1人運命の人はいるのだなあってつくづく思います。

フラメンコもサルサも興味ありますが、これから年を取っていくことを思うと、夫婦が寄り添って踊るのはタンゴがいいかなって。
私も何かの画像で、年配のご夫婦がタンゴを踊っているのを見ていいなと思いました。

2013/10/24 (Thu) 22:59 | EDIT | REPLY |   

Ariane  

Re: eiko さん♪

eiko さんとご主人だったら、タンゴなんて似合いますね!
うちはダメだなぁ~。
うちの主人は、武道系なんですよ・・・。

ちなみに、うちの主人とは、出会って2年間一緒に仕事をしていましたが、2年間、運命の人とは気が付きませんでした。鈍いのかしら?主人も、最初、しら~っとしていたんですよ。

2013/10/24 (Thu) 23:21 | EDIT | REPLY |   

eiko  

ウフフ♪
運命の人がそばにいても気が付かずにいたんですね。
でもやっぱり運命の人だった、というのが面白いですね。
私なんて、運命の人だー!と何度も何人も思ったことか(笑)

ご主人、武道系(が何か良くわかってないですが、体育会系?)というより、美意識の高い方のような印象を受けましたヨ。

2013/10/25 (Fri) 00:49 | EDIT | REPLY |   

Ariane  

Re: eiko さん♪

あ、主人は「体育」というよりは「お散歩」という感じでして、何か運動をするとしたら「武道」なんですねぇ。

> 私なんて、運命の人だー!と何度も何人も思ったことか(笑)

そういえば、前にブログに最初の彼氏とのお話がありましたね。興味深く読ませて頂きました^^
やっぱり、いろんなドラマがありますよね~。

2013/10/25 (Fri) 10:08 | EDIT | REPLY |   

mikitaka08  

こんばんは

 ビアソラの“オブリビオン”、「忘却」というタイトルもつけられ、タンゴというジャンルを超えてクラシック畑でも演奏されていますね。大好きな楽曲のひとつです。
 それにしてもこのダンス。鍛えられた二人の凄いパフォーマンスですね。まるでスポーツを見るように5分間を楽しみました。ありがとうございます。

2013/10/28 (Mon) 16:57 | EDIT | REPLY |   

Ariane  

Re: mikitaka08 様♪

こんばんは! コメントありがとうございます!
mikitaka08 様は、いろんなジャンルの音楽にお詳しいのですね。
貴ブログのように本格的な音楽ブログを拝見しておりますと、私のような者が音楽について書かせて頂くのは、お恥ずかしいようです。

オブリビオンのダンス映像、ご覧頂けて嬉しいです^^
私も、何度となく繰り返し見ております。
一見、寄り掛かって踊っているように見えて、一人ずつが完璧なバランスを保っているから美しいのでしょうねぇ。
こちらこそ、ご覧くださって、どうもありがとうございました!

2013/10/28 (Mon) 21:43 | EDIT | REPLY |   

Violetta  

こんにちは^^
Ariane様のお父様、プロダンサーだったのですね~。
格好良いですね!
社交ダンスは、男性のリードが良ければ、女性はステップを知らなくても、ある程度踊れてしまうのですね・・。
ダンス、優雅に踊れたら素敵でしょうね~。
ピアソラ・・以前コンサートで何を歌おうと思った時に・・ピアソラを勧められた事がありますね~。この曲歌のバージョンも出ているのでしょうかね?
どんな風なのか楽譜が無いので分からないのですが・・笑

ここに載せられた曲はどれも・・情熱的で・・セクシーな感じで格好良いです。凄く好みです^^

2013/10/29 (Tue) 14:22 | EDIT | REPLY |   

Ariane  

Re: Violetta 様♪

こんばんは^^
コメントありがとうございます!
社交ダンスは、モダンとラテンに分かれますが、父はモダンの方のダンサーでした。
今はダンス人口が少ないですから、続けていたら大変だったかもしれません~。

> 社交ダンスは、男性のリードが良ければ、女性はステップを知らなくても、ある程度踊れてしまうのですね・・。

男性と組んだ時の姿勢を保っておくと、リードが伝わりやすいみたいです。
楽しいですよ^^

> ピアソラ・・以前コンサートで何を歌おうと思った時に・・ピアソラを勧められた事がありますね~。この曲歌のバージョンも出ているのでしょうかね?

Violetta 様は歌手でいらっしゃるのですよね。素敵です!
ピアソラの歌バージョンがあるとは、私も知りませんでしたが、オブリビオンなんて是非、歌で聴いてみたいです♪

> ここに載せられた曲はどれも・・情熱的で・・セクシーな感じで格好良いです。凄く好みです^^

ピアソラは、情熱的な Violetta 様のお好みにも合うと思いますよ^^

2013/10/29 (Tue) 20:14 | EDIT | REPLY |   

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